ホランドの職業選択理論(RIASEC)
自分に合った進路を考えるための枠組みとして、世界的に使われている理論です。
アメリカの心理学者 ジョン・L・ホランド が提唱した理論で、「人には興味・関心の傾向(タイプ)があり、職業にも雰囲気(環境)の傾向がある」という考え方に基づくものです。
総合型選抜/学校推薦型選抜では、志望理由書や面接で求められる 「将来目標とする職業」や「目指す学部学科や分野」 への「適性」をアピールするときに役立ちます。
理論のポイントはシンプル
「自分のタイプに近い職業環境を選ぶほど、①やりがいを感じやすく、②能力を発揮しやすく、③結果として続けやすい」とされています。
つまり、進路選択で大切なのは「ステータスやイメージ」ではなく、「自分の興味・関心の傾向(タイプ)を自覚すること」です。
① どんなタイプ?
抽象的な観念や議論よりも、「モノ・道具・機械・動植物」など具体的な対象を扱うことに興味が向くタイプです。
② 向いている人は?
- ものづくりや機械の分解・修理が好き
- 動植物や機械などに実際に触れて、構造や仕組みを確かめたい
- 座学より、実験・実習・現場体験で学ぶのが好き
- 身体を動かすのが好き、アウトドア派
行動力、道具の扱いが得意、機械に強い、現場対応力
④ どんな職業が向いている?
エンジニア、整備士、建築・土木、農林水産業、環境・資源管理、輸送・運行、消防・警察など
⑤ 向いている学部・学科は?
工学系、理工系、農学、森林科学、環境系、情報系、スポーツ科学、臨床工学など
① どんなタイプ?
「なぜそうなるのか」を突き詰めて、仕組みや原因を明らかにしたいタイプです。データや資料を集めて根拠をもとに考えることに面白さを感じます。
② 向いている人は?
- 気になるテーマがあると、調べてフカボリしたくなる
- 本、データ、実験、観察などを通じて、「確かめる」作業が好き
- 答えがすぐに出ない問題でも、考え続けることが苦にならない
- 「結論」だけでなく、理由やプロセスまで知りたい
論理的思考力、探究心、継続力、情報リテラシー力、課題解決力
④ どんな職業が向いている?
研究者、データサイエンティスト、情報系エンジニア、システムアナリスト、医療分野(研究・検査・疫学)、生命科学分野
⑤ 向いている学部・学科は?
理学系、工学系、生命科学系、情報科学、データサイエンス、統計、数理系、医学、薬学
① どんなタイプ?
決まった手順やルールに従うよりも、自由度の高い環境で、アイデアや感性を使って、創造的な作業を行うことに魅力を感じるタイプです。
② 向いている人は?
- 音楽・美術・文学などへの関心が強い
- 新しいことを想像したり考えるのが好き
- 皆と一緒はつまらない、自分の感性・独自性を大事にしたい
- ルーティンや反復作業より、変化や工夫の余地がある方がやる気が出る
創造力、独自性、表現力、発想力、柔軟性
④ どんな職業が向いている?
デザイナー、クリエイター、舞台・音楽関係、作家・脚本家、コピーライター、企画、建築家、料理家
⑤ 向いている学部・学科は?
芸術系、デザイン系、文学・文芸、建築、ファッション系、食・生活表現系
① どんなタイプ?
人を助ける、教える、相談にのる、支えることに興味が向くタイプです。チームの調和を大切にし、対話を通じて問題を解決しようとします。
② 向いている人は?
- 人の悩みや話を聞くのが苦にならず、人を支えることにやりがいを感じる
- 相手の気持ちを理解しようとして、言葉や関わり方を工夫する
- 競争よりも、協力して成果を出したい
- 地域や社会、福祉などの社会問題やボランティアに関心がある
共感力、傾聴力、コミュニケーション力、粘り強さ、チームワーク
④ どんな職業が向いている?
教育、医療系、福祉系、カウンセラー、NPO
⑤ 向いている学部・学科は?
教育・教員養成系、看護・医療系、社会福祉系、心理系、社会学、国際関係
① どんなタイプ?
人を動かしながら目標を達成することに魅力を感じるタイプです。説得・リード・意思決定を通じて、企画を前に進めたり、組織やプロジェクトを動かすことに興味が向きます。
② 向いている人は?
- 文化祭・生徒会・部活などで、リーダーとして人をまとめることにやりがいを感じる
- 人前で話すことに抵抗感がない、自分の考えを人に伝えるのが好き
- 目標に向かって努力を惜しまない、困難があるとかえって燃える
- 新しいアイディアや企画を考えるのが楽しい
リーダーシップ、プレゼンテーション能力、交渉・調整力、戦略的思考
④ どんな職業が向いている?
起業家・経営者、営業、コンサルタント、マネージャー、プロデューサー、プランナー、政治家
⑤ 向いている学部・学科は?
経営・商・ビジネス、経済、法、政治、国際関係、メディア、コミュニケーション
① どんなタイプ?
決まった手順・ルール・方式に沿って作業をしたり、情報やデータを正確に整理・処理することに興味が向くタイプです。
② 向いている人は?
- 期限や手順を守り、計画通りに進めるのが得意
- 書類やファイル、データを分類・整理するのが好き、ミスを減らす工夫ができる
- マニュアルを読み、ルールに沿って正確に作業を進められる
- 曖昧な作業より、手順が明確な作業の方が集中できる
正確性、計画性・段取り力、整理能力、自己管理能力、信頼性
④ どんな職業が向いている?
事務、秘書、経理、会計、税務、データ処理・管理、書記、システム運用
⑤ 向いている学部・学科は?
経営、商、経済、法、情報系、データサイエンス、図書館情報
重要:あなたのタイプは1つだけではありません
ホランド理論では、人の興味や向きやすさは1つのタイプだけで決まるのではなく、複数のタイプ(上位2〜3つ)の組み合わせで、より具体的に表されます。
たとえば 「IAE」 のように3文字で表すと、各タイプの特徴が重なり合って、「どんなことに興味を持つか」「どんな環境で力を発揮するか」 がより明確になります。
ホランド理論の観点
(A)ホランド理論は、自分が興味のある・関心のある分野に進んだ方が、より能力を発揮し、充実した職業生活を送ることができるという観点に立ちます。
これに対し、(B)自分の性格・能力に適している職業を選ぶべきだという観点も有力です。
キャリアデザインガイドでは、ここまで「希望の職業の遂行に必要な資質」を把握し、その適性をアピールする必要性を説いてきました。
これは必ずしも(B)の立場に立つものではなく、「職業的な資質・適性の習得・伸長は努力と学習によって可能である」との観点に立つものです。
つまり、「好きなこと・やりたいことがあるのなら、それが出来る自分になるために頑張ろう!」という立場です(そのために大学で学ぶのだ!)。
したがってホランド理論との矛盾はないと考えています。
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