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青山学院大学個別学部日程独自試験 Vol.Ⅰ


青山学院大学の独自問題 ①

※このコーナーの記述内容は、順次充実させていく予定です。

青山学院大学の一般選抜個別学部日程では、共通テストと大学の独自問題とで受験することになります。
この独自問題には、小論文、総合問題、論述問題、論述・総合問題、英語、国語、などがありますが、その内容は名称からは判らないくらい様々です。
このコーナーでは、青山学院大学各学部の独自問題について、その内容を分析し、必要な対策を示します。
まずこのページでは、論述力・記述力、読解力、地歴公民の知識などを問うことを主とする学科・方式を紹介しています。


教育人間科学部 教育学科


共テ英:100点

共テ国:100点
小論文:100点
 合計:300点

大学入学共通テストの『英語』と『国語』の合計点に基準点を設け、基準点に達した者のうち、「小論文」の得点の上位者を合格とする。


独自問題は「小論文」で、試験時間は90分です。
入試要項には「文章・図表などに基づいて読解・論述する問題を課す」とあります。
大問1のデータ読取り型、大問2の課題文章型ともにオーソドックスな出題です。
大問2の課題文章はやや長めですが、著名な著者・作品が使われています。
ただ、全体に問題量に比して時間がタイトです。

 

 
 

大問1(データ読取り型論述)
小問×2(200字・300字)
大問2(課題文章型論述)
小問1
文章要約(200字)
小問2
下線部の背景や意義に触れつつ、複数の具体例を挙げながら自分の考えを論述(600字)

 
 

Ⅰ データ読取り型論述問題

問1:大学・短期大学・専門学校別の男女の進学率の推移を示す折れ線グラフをもとに、男女それぞれの高等教育の進学傾向の変化を300字以内で論述します。
問2:2019年度の大学生全体に対する女子の割合を専攻分野別に示したをもとに、問1の大学進学率の変化を踏まえた上で、女子の大学進学の特徴を200字以内で論述します。


II. 文章読解に基づく論述問題

課題文章は、人間が生み出す欲求と、その充足のために形成されてきた「権力との関係性、現代社会の特徴、都市文明などがテーマです。

出題内容
問1:文章を200字以内で要約します。
問2:下線部(権力は人びとを、その〈主体〉たる範囲で「保障」したに過ぎなかった)について、背景や意義に触れつつ、複数の具体例を挙げながら自分の考えを600字以内で論述します。

課題文章の概要
■権力と人間の関係

・人間は資源の「欠如」に突き当たり、特定の充足を保障するために権力を生み出しました。
・権力は、人間の生命や幸福にいたるまで「保障」と「支配」を同時に行っています。
・人間は権力の「主体」としても「客体」としても関わり、政治、経済、教育、医療などの権力なくして生活できなくなっています。
・権力は人々に「保障」を与えるため、その主体としての能力、すなわち「教育」を要求しました。
■現代社会と権力の矛盾
・現代は豊かな生活を享受する人がいる一方で、飢餓人口も抱えています。
・現代社会は豊かさの実現のために多種多様な権力が張りめぐらされていますが、「ガラス」のような脆さと「防弾ガラス」のような強靭さの両面を持ちます。
・都市では軋轢や摩擦が日常化し、交通事故や大気汚染、新しい感染症などが増大しており、人々は重圧や苦痛から逃れるために嗜好品を求める傾向があります。
・人間は「最大の保障を最低の支配でもたらす権力」を求め続けており、これは「永遠の課題」であり「権力への意志」とされています。
■都市と飢餓
・都市の建設は豊かな生活を営むための必要条件ですが、十分条件ではありません。
・世界の飢餓人口は増加し続けており、食糧生産の総量が増大しても解決できていません。
・都市は文明として姿を現しましたが、その恩恵に浴するかどうかは権力との関わり次第です。

 
 

Ⅰ データ読取り型論述問題

表1枚と図1~図4までの4枚の折れ線グラフ(表付き2枚)が示されています。

問1:小学校、中学校の教員の平日および土日における1日当たりの業務時間の内訳を示すをもとに、教員の1日当たりの業務時間の内訳について200字以内で論述します。
問2:設置者別の学生生活費と居住形態の割合から、学費・生活費の支出額の異同とその違いが生じる理由を考察し、300字以内で論じます。
・表1(設置者別の学生生活費)と表2(居住形態別学生数の割合)で、国立、公立、私立の区分ごとの学費、生活費、合計額、および居住形態の割合が示されています。

Ⅱ.文章読解に基づく論述問題

課題文章は、「科学的であること」を分析的還元主義と等置するドグマ(独断)を批判しています。医学の「苦しみ」の例を挙げ、分析では捉えられない全体的・主観的な現象の重要性を指摘。科学は、分析一辺倒から脱却し、「人類のために」という目標のもと、全体的な現象把握を取り入れる柔軟な思考法を持つべきだと主張しています。

出題内容
問1:文章を200字以内で要約します。 問2:下線部について、背景や意義に触れつつ、複数の具体例を挙げながら自分の考えを600字以内で論述します。
課題文章の概要
・近代科学の基本前提として、自然現象を構成要素の運動に還元する古典的な因果的決定論がニュートン力学から生まれてきたこと、そしてその論理は分析という道具に絶対的な価値を置く「物理学帝国主義」と結びつくことが論じられています。
・「科学的である」ことの定義が「分析的である」ことと結びついているという暗黙の前提があり、この還元主義はギリシアの「原子論」や近代市民社会の「個体主義」と並行して形成された歴史的必然性があると考察されています。
・しかし、そのドグマから脱却し、「分析的」以外に「科学的」な定義を与える可能性が提示されています。
・医学を例にとり、病原体解明や免疫反応の解明など「科学的」な部分がありながらも、「苦しみ」や「痛み」といった主観的な現象は科学的分析の対象にはなり得ず、従来の歴史的規定の枠内での「科学的」ではあり得ない部分が残ると指摘しています。
・医学は「患者の苦しみを取り除く」という全体的な視点を不可欠とする特殊事情があり、科学全般もまた「分析と総合」という思考法の前提を疑い、「人類のために」という目標を回復するため、全体的な現象把握という新しい発想を分析の出発点にすべきだと結論づけています。

 
 

I. データ読取り型論述問題

1枚と図1~図4までの4枚の折れ線グラフ(表付き2枚)示されています。

問1:「今後1年間、あなたはどのようなことを食育として実践したいと思いますか」という質問に対する回答結果(複数回答可)の一部を示す表をもとに、Ⓐ~①の回答傾向を200字以内で論述します。
問2:小学校、中学校、高等学校、大学の学校数および在学者数の1950年から2020年までの推移を示す図1~4をもとに、学校数および在学者数について、学校の種類ごとに推移の特徴を指摘したうえで、両者を組み合わせて考察されることを300字以内で論述します。

II. 文章読解に基づく論述問題

課題文章は、人間が心に描く「世界像」(〈世界像〉)の意味と役割、そして「思想」の発生について論じています。

出題内容
問1:文章を200字以内で要約します。
問2:下線部について、背景や意義に触れつつ、複数の具体例を挙げながら自分の考えを600字以内で論述します。

課題文章の概要
1. 〈世界像〉の意味と役割
・社会との接続:〈世界像〉は、個人を日常から目に見えない「社会」という抽象的な関係の世界に導き入れ、社会的な存在として関係づける根本原理です。
・自我の確立と実践:自己のライフスタイルや役割を確定し、社会的な共同性の中での〈自我〉を形作る基本通路となります。また、現実の関係を把握し、仕事や権力操作といった社会への実践的な働きかけ、さらには社会構造を改変する手だてとしても不可欠です。
2.〈世界像〉の二義性と「思想」の発生
・イデオロギー:〈世界像〉は社会の秩序を維持・発展させるため、価値観を含んだ「イデオロギー」の機能も果たします。
・矛盾の直観:人間は一般的な〈世界像〉が自分の生を生き難くし、苦しみをもたらすときに、その〈世界像〉が矛盾を孕んでいることを直観します。
・編み変えの行為:思想は、この一般的な〈世界像〉や価値観に対する「意識的な抗いの行為」として発し、〈世界像〉を「編み変えてゆく」ことを通じて、個人の生き難さを支えるものです。
・受容の単純化:複雑な思想も、読み手に受け取られる際には、「それまでの〈世界像〉のどこが編み変えられたか」という要点が、最もシンプルな形に置き直されて理解されます。


教育人間科学部 心理学科


共テ英:100点

共テ国:100点
小論文:100点
 合計:300点

大学入学共通テストの『英語』に基準点を設け、基準点に達した者のうち、総合点の上位者を合格とする


独自問題は「小論文」で、試験時間は90分です。
入試要項には「日本語の文章やデータを読み、物事を論理的に考察し、自分の考えを的確に表現できる力を総合的に問う論述等を課す」とあります。
大問1の推論型、大問2のデータ読取り型ともにしっかりとした対策が必要です。
全体に問題量に比して時間がタイトです。

 

 
 

大問1(論理・推論)
短答式:1or2問
論述式:1or2問(合計:600~800字)

大問2(データ読取り型論述)
小問1
データ読取り(300字)
小問2
施策提案(300字)

 
 

設問Ⅰ 数学的証明に関する問題

資料として「√2は無理数である」ことの証明のサンプルが示されています。

問1:資料のような証明法の名称を漢字3文字で答える問題です。
問2:資料を読んで考えたことを、「なぜこれが証明になるのかについて、私ははじめは疑問を感じた。しかし、さらに考えることで、その疑問を自分なりに解決し、証明についての理解を深めることができた。以下に、その過程を述べる。」という文章で始めて、全体を600字以内でまとめる問題です。

設問Ⅱ データ読取り問題

図1と図2は、「令和5年版情報通信白書」(総務省)に掲載された、オンライン上での情報取得に関する調査の回答であることが示されています。
図1(横棒グラフ)
・「オンライン上で最新のニュースを知りたいときの行動(複数選択可)」についての、日本、米国、ドイツ、中国の国別データが示されています。
・選択肢には、「SNSの情報をみる」、「検索結果の上位に表示されている情報をみる」、「ニュースサイト・アプリから自分へおすすめされる情報をみる」、「複数の情報源の情報を比較する」などがあります。
図2(帯グラフ)
・「SNS等で自分の考え方に近い意見や情報が表示されやすいことに対する認識」について、国別と日本・年代別のデータが示されています。
・日本・年代別では、20〜29歳から60歳以上までの認識が示されています。

問1:図1と図2から読み取れる日本における調査の回答の特徴、および、そこから推測される問題について、300字以内でまとめます。
問2:問1で指摘した問題を解決するために、日本の20代と50代の人それぞれに向けて、誰が何をどのように伝えるのがよいと考えるか、300字以内で具体的に述べます。

 
 

設問Ⅰ 論理的思考・推理能力を問う問題

文章(1)(じゃんけんの推理問題)
・6人でじゃんけんを行い、1回で「勝ち」と「負け」が分かれた状況です。
・6人が出した手の「伸びている指の本数の合計」が、Bさんの弟の年齢と同じになった(グーは0本、チョキは2本、パーは5本と数える)。
・AとCは負けた。
・勝負のつき方(グー>チョキ、チョキ>パー、パー>グー)と、勝者の数に応じた指の本数の合計を示す表が、参考資料として提示されています。
問1:勝った人数を答える。

文章(2)(誕生日の推理問題)
・Cさんの誕生日をAさんとBさんが当てる問題です。
・Cさんの誕生日の候補日が10通り提示されています。
・CさんはAさんに「月」の正解だけを、Bさんに「日」の正解だけを教えました。
問2:Cさんの誕生日を答える。
問3:問1と問2の解答に至る思考過程を説明し、両者の考え方の共通点を800字以内で指摘します。

設問Ⅱ データ読取り問題

資料の概要
・調査対象:全国の満15歳以上の日本国籍を有する者。
・回答者の属性:10代後半(15~19歳)、20代(20~29歳)、30代(30~39歳)の回答を抜粋。
・テーマ:SDGs(持続可能な開発目標)とエシカル消費(人や社会、環境に配慮した消費行動。SDGs目標12と関連)に関する意識と取り組み。
図1
・SDGsやエシカル消費に関する興味や取り組み状況の帯グラフです。
・「興味があり、現在取り組んでいる」「興味はあるが、現在取り組んでいない」「興味がない」「分からない/知らない」の4つの選択肢に対する各世代の割合(%)が示されています。
図2
・「興味はあるが、現在取り組んでいない」理由の横棒グラフです。
・主な理由の例:「参加方法が分からない」「環境や社会に貢献している実感がない」「経済的余裕がない」「時間や気持ちの余裕がない」など。
問1:図1と図2から読み取れることを300字以内でまとめます。
問2:図1と図2に基づき、SDGsやエシカル消費に取り組む人を増やすための方法として、どのようなことが考えられるか(施策の提案)を300字以内で述べます。

 
 

設問Ⅰ 論理的思考・推理能力を問う問題
2つの文章に示された論理パズルを読み解き、その推理過程やパズル自体について考察する問題です。

 文章(1)(帽子パズル)
パズル1
・赤い帽子2つ、白い帽子2つを使用し、A君・B君・C君の3人が階段状に座る設定です。
・A君(白)はB君(赤)とC君(白)の帽子が見えます。B君(赤)はC君(白)の帽子が見えます。C君(白)は誰の帽子も見えません。
・B君が「しばらく誰も答えない」という「答えの不在」を、A君も考えているという前提のもとで推理に組み込み、背理法を用いて自分の帽子の色(赤)を導き出す点に面白さがあると指摘されています。
パズル2
・赤い帽子3つ、白い帽子2つを使用し、A君・B君・C君の3人が円を描くように「平等」な関係で座る、より複雑な変形パズルです。
・全員(A・B・C)赤い帽子をかぶっており、自分以外の2人の帽子が見えています。
問1:この変形パズルにおいて、B君が突然「僕の帽子の色は赤だ」と答えたときの推理の仕方を、400字以内で記述します。

文章(2)(囚人と円板パズル)
・3人の囚人が釈放者を決める試験に選ばれます。
・道具として5枚の円板(白3枚、黒2枚)が用意されます。
・囚人たちの背中に円板が1枚ずつ貼られます(実際には3人とも白い円板が貼られました)。
・自分の円板は見えませんが、仲間の2人の円板の色は見えます。見たものをお互いに言うことは許されません。論理的な理由付けをもって、最初に自分の色について結論を出した者が釈放されます。
・囚人たちがこの問題をどのように解決できたのかを問う内容です。
問2:文章(1)と文章(2)で提示されたパズルを比較し、パズル自体についての俯瞰的な考察を400字以内で記述します。
 
設問Ⅱ データ読み取り問題
図1
・高齢者の刑法犯検挙人数の罪名別構成比の帯グラフ
・平成元年(1989年)と平成30年(2018年)の高齢者(全高齢者、男性高齢者、女性高齢者)および全年齢層の刑法犯検挙人数における罪名別構成比(%)を示しています。
・窃盗(万引きと万引き以外の窃盗に分類)、傷害・暴行、横領(遺失物等横領を含む)、詐欺、その他の項目があります。
・検挙人数が記載されています(例:平成元年 全高齢者 6,625人、平成30年 全高齢者 44,767人)。また、参考情報として両年の人口データ(全年齢層、高齢者別)が注記されています。
問1:図1から読み取れる主なことを300字以内で記述します。特に、窃盗や万引きの割合、男女・年代ごとの構成比の変化などに着目する必要があります。例として、全高齢者における窃盗の割合は平成元年(60.2%)から平成30年(77.5%)へと増加していることや、女性高齢者の窃盗の割合が非常に高いことなどが注目されます。
問2:問1の解答の背景としてどのようなことが考えられるか、また、それに対してあなたや社会は何ができるのかを300字以内で論じます。


法学部 法学科/ヒューマンライツ学科 A方式


共テ英:65点

共テ国:100点
共テ選:35点
総合問題:200点 
合計:400点

(選)は、「歴史総合、世界史探究」「歴史総合、日本史探究」「地理総合、地理探究」「公共、倫理」「公共、政治・経済」「数学Ⅰ」「数学Ⅰ、数学A」「数学Ⅱ、数学B、数学C」から高得点の1科目。


独自問題は「総合問題」で、試験時間は90分です。
入試要項には「『現代の国語』『言語文化』( 『古文、漢文』を除く)と『歴史総合』『公共』との総合問題とする」とあります。
短答式問題をメインに数問の記述式問題が加わります。正解を導くには接続詞の知識や語彙力・文章読解力が必要です。
知識面では、日本史・世界史・政治経済・倫理の各科目の知識に加えて、法学/法哲学の基礎的な知識があると心強いでしょう。
なお、25年は前年までより論述問題の負担が減りました。

 

 
 

大問1
短答式12問(空所補充・正誤判定)

大問2
短答式10問(空所補充・正誤判定)
記述式2問(30字・50字)

大問3
短答式10問(空所補充・正誤判定)
記述式2問(50字・50字)

 
 

設問Ⅰ

文章:自由とセキュリティ、権威主義の兆候(J.S. ミル、トマス・ホッブズ、カール・シュミット)。パンデミックや戦争による不安から生じるセキュリティへの強い欲求と、それによる自由の領域の侵食。
・ミル:自由の抑圧は、かつての国家権力から、現代では社会の多数派(国民の不寛容)によるものへと変質したと論じた。
・ホッブズ: 自然状態ではセキュリティが失われ「万人の万人に対する闘争」になるため、信約(契約)により自然権を放棄して秩序(国家)を構築する必要があるが、個人自衛権は留保されると主張した。
・シュミット: 第一次大戦後のワイマール共和国の時期に議論し、後にナチスに協力した思想家として言及されている。
出典:杉田敦『自由とセキュリティ』
問題(12問)
上記の思想家や時代背景、関連する事象(例:治安維持法、天皇機関説、ナチスの政権掌握)に関する知識を問うている。

設問Ⅱ

文章:市民革命を基礎とする市民社会の成立と、それを支える近代法の原理。
・市民社会の基礎:自由・平等、基本的人権の保障(人身・精神・経済の自由)。
・経済的正義::経済的基礎は商品交換における等価交換法則であり、近代法(民法・刑法)はこれを保障し、不等価交換を「市民的正義」に反するものとして取り締まる。
・所有権:各人の私的所有を「城」として守る所有権の自由と絶対性の保障と、他人の城に干渉しないという制限が両面一体。
・連帯の思想:商品交換は社会性を持ち、消費者の満足と生産者の責任を互いに分かち合う連帯の精神が市民社会の根底にある。
・法制:イギリス・アメリカ法は判例法主義、フランス・ドイツなどの大陸法は制定法主義をとる。
出典:渡辺洋三『法とは何か(新版)』
問題(12問)
イギリスの権利章典、アメリカの独立、日本国憲法が保障しない経済活動の自由、フランス人権宣言、市場の失敗の原因、ホッブズの市民的正義、所有権の制限、責任(賠償責任や納税義務)、分業の必要性、革命と法典編纂(ナポレオン法典)などに関する知識を問うている。

設問Ⅲ

文章:明治期から戦後にかけての日本の司法制度の継受・変遷と、その背景にある政治的要因。
・導入の目的: 明治政府が存立にかけて達成すべき不平等条約の撤廃のため、西欧的基準に合致する近代法制が必要とされた。
・変遷(1)仏→独型: 当初はフランス法を範としたが、憲法制定の模範がプロイセン(ドイツ)になった影響で、旧憲法(大日本帝国憲法)制定時にはドイツ法型へ移行した。これは明治当局者の自発性を伴う大陸法系統内での転換であった。
・変遷(2)独→米型: 第二次大戦の敗戦後、占領政策の一環として現行憲法(日本国憲法)がアメリカ法型に倣った。これはそれまで慣れ親しんだ大陸法とは系譜的に異なる異質な制度への転換であり、大きな振幅と不協和音を現在の司法制度にもたらしている。
出典:三ヶ月章『民事訴訟法研究 第6巻』
問題(12問)
同義語、不平等条約改正の動向、日本の開国時期の出来事、国会開設運動、プロイセンの政治体制、旧憲法(大日本帝国憲法)の特徴、現行憲法(日本国憲法)の特徴、最高裁判所の権限、占領期間中の政策(財閥解体、天皇の地位、共産主義者、農地改革)に関する知識や、司法制度変遷の背景に関する要約を問うている。

 
 

大問Ⅰ
文章: 数値が支配する社会における人間の序列化とその帰結としての優生思想。
1.数値化と序列化
・現代社会は数字によって人間を序列化し、「役に立つか立たないか」で人間を切り分ける。
・イギリスの哲学者ベンサムらが展開した功利主義(最大多数の最大幸福)は、幸福を数量化し、「数」の基準を価値に導入した。
2.国家と生産性の基準
・日本の障害者政策は、戦時中の「役に立った人」(傷痍軍人)の支援制度に影響を受け、戦後は「経済的に役に立つか」(生産性)という基準に変化している。
・個人が健康診断などで自分の身体を数値化し、健康を管理する行為は、一見個人的なものだが、実際には国家が医療費抑制という国家の意志を利用して内面化させたもの。健康であることは、労働者として国家の役に立つという点で都合が良いと論じられている。
3.最終的な帰結
・数値化と競争主義による序列化は集団内の差別を生み、その最終的な帰結が優生思想(優れた子孫を残すことで社会集団を強化しようとする思想)であると指摘されている。
・優生思想はダーウィンの進化論が受け入れられ始めた19世紀末に広がり、知能テストは、当初の目的とは異なり、アメリカの優生主義者によって「劣った」とされる人種を選別し、断種(強制不妊手術)を行うための道具として悪用された。
4.筆者の主張
・これらの問題提起から、筆者は、人間を客観的な基準によって評価することの弊害と、当事者の経験の個別性やディテールを尊重する必要性を主張している。
出典:村上靖彦『客観性の落とし穴』
問題(12問)
・空所補充×3

・正誤判定×3
・選択  ×1
・文章挿入×1
・文挿入 ×1
・人名選択×1
・論述(100字)×1
・言い換え(記述)×1

大問Ⅱ テーマ: 戦後の日本の安全保障の歴史、特に軽武装路線と自主憲法制定論の展開。
1.非武装化から再軍備へ
・第二次世界大戦後、GHQは当初、日本を非武装化させたが、ソ連や中国など共産勢力の伸長を背景に、日本を「極東における防壁」にするとして再軍備に転じた。これを逆コースと呼ぶ。
2.軽武装・経済重視路線(吉田ドクトリン)
・当時の吉田茂首相は、国民負担を避けるため、警察予備隊の創設(後の自衛隊)にとどめ、日本の防衛を在日米軍に委ね、戦後復興に注力する「軽武装・経済重視」の路線をとった。
3.憲法改正論議の展開
・再軍備の動きに伴い、自主憲法制定論が勢いづく。
・改進党は、日本国憲法のほぼすべてを書き直す案を提示し、特に憲法第9条に「国家の独立と自由を防衛するため、陸海空軍その他の戦力を保持する」ことを明記するよう提唱した。
・その後、自由党も改正案を発表し、翌年の保守合同(1955年)に先立ち、両党の基本的な意見集約がなされた。
出典:大石格『保守合同で勢いづいた自主憲法制定論』
問題(12問)
・正誤判定×10
・論述(100字)×2

大問Ⅲ
文章:「平等」をめぐる議論と、形式的正義・実質的正義の関係、および価値相対主義に基づく民主主義の必要性。
1.平等を可能にする基準と不平等
・平等には一定の基準が必要で、基準がなければ平等は実現しない。
・税制における平等の議論
人頭税方式(一律同額):大きな不平等を生む「悪税の典型」とされるが、パーティ会費など状況によっては平等とされることもある。
同率所得税方式:生活への打撃度を考慮すると、低所得者に重い負担を負わせる不平等なものと評価される。
累進税率方式:一般に同率方式より平等に近いとされる。
・最終的に、個人の財産権を擁護する自由主義的な価値観を採るか、高負担の税で経済的な格差を是正しようとする価値観を採るかの問題に帰着する。
問題
2. 形式的正義と実質的正義
・同額徴収、同率課税、累進課税のいずれも、一定の形式的な基準に沿って税が徴収されるならば、形式上は平等な扱いをしており、一定程度の正義を満たしている。何の基準もない恣意的な判断を排除することを求める。
・形式的に平等なルールが存在しても、「実質的に不平等である」と非難されることがある。実質的正義を教えてくれるための基準は法律の形では存在せず、それを決めるのは立法や世論という政治の現場である。
3. 価値相対主義と民主主義
・実質的な意味で真の平等や正義がどれかを論理的に導くことは難しい。実質的正義を知るための客観的な方法や基準は存在せず、学問的にも答えを出すことはできない。
・客観的に正しい結論が分からないからこそ、立法という政治の場において、民主主義的多数決が必要とされる。客観的に正しい結論が分かっていれば、国会や民主主義の過程は必要ないことになる。
出典:木原淳『入門法学読本』
問題(12問)
・空所補充×7
・文挿入 ×1
・接続語 ×1
・正誤判定×1
・文整序 ×1
全て選択式

 
 

大問Ⅰ
テーマ:わが国民法典の編纂と法意識
・民法典編纂の目的:江戸時代の民事法の統一に加え、不平等条約の改正が直接的な前提であり、国の「富強」の手段として「国民相互間の権利義務の確定」が目指された。
・フランス民法典との相違:フランス民法典が人権宣言に適合するものとして制定されたのに対し、日本民法典は国の独立と対等の地位を保つための「富強」の手段として制定されたという特色を持つ。
・「自然権」の認識:民法が私法的な権利義務を確保する法律であることは認識されていたが、それが「自然権の保護」であるという認識の表明や強調が、当時の関係者および後世の法学者に十分でなかったことが残念であるとされる。
・日本の法観念:基本的な社会規範として「義理」と「人情」があり、「義理」の遵守は、相手からの要求を待たずに自ら進んで行為内容を推測して行うことが期待され、違反に対する制裁は「恥」であると六本教授は説く。
・権利観念のギャップ:「義理」「人情」の観念と、欧米法の基本である権利・義務の観念との間にずれがあり、権利主張が利己的な主張と考えられがちなことが、法律の意味を減殺させる課題であるとされる。
出典:星野英一『民法のすすめ』
問題(12問)
・正誤判定×6
・言い換え×1
・空所補充×1
・接続語 ×1
・読みがな×1
・論述(100字)×2
論述以外は全て選択式

大問Ⅱ
テーマ:ハンナ・アーレントの「公/私」の二分法と近代社会
・アーレントの「人間性」の条件:ハンナ・アーレントは、西欧的な「人間性」の成立を「公(public)/私(private)」の二分法と結びつけ、「労働」「仕事」「活動」の3つの条件のうち、「活動」を最も重要とする。
・古代ギリシアのポリス:「活動」(言語と身振りによる非物理的な働きかけ)はポリスの本質である「政治」と結びつけられた。市民は「私的領域=家」で欲求を充足されるため、「公的領域」では利害に煩わされずにポリス全体の討論に専念できた。
・「私的領域」は、権力・暴力による支配が行われる閉ざされた空間であり、市民の生物的・物理的な欲求が充足される場であった。
・近代社会と「活動」の困難:近代国家では、経済活動が「家」の外へ移動し、「私的領域」が「公的領域」を支える構造的前提が崩れたため、「活動」の習得が困難になった。近代の議会では、代表者が支持集団の利害を代表して発言し、利害関係によって離合集散するようになる。
・「社会的領域」の形成:「公的領域/私的領域」の境界が曖昧になり、両者の中間に「社会的領域」が形成された。これは、不特定多数の反応パターンを法則化・統計化できるようになったことによる。
・「私生活(プライバシー)」への逃避:「社会的領域」の拡大・浸透により、人々は刺激に反応するだけの「社会」に疲弊し、「家」の中の「私生活」に安らぎを求めるようになった。
・プライバシー神聖視の理由:近代人が「私生活=プライバシー」を神聖視するのは、画一的な行動を強いる「社会的なもの」から逃避し、人間らしさを保持するための不可欠の基盤とみなしたためである。
出典:仲正昌樹『「プライバシー」の哲学』
問題(12問)
・空所補充×3
・文整序 ×1
・文選択 ×1
・接続語 ×1
・図表読取×1
・正誤判定×2
・論述(100字)×2
論述以外は全て選択式


大問Ⅲ
テーマ:ケインズとベバリッジの思想
背景:20世紀初頭、古典的自由主義が社会主義とファシズムに挟撃される中で、ケインズ(経済学者)とベバリッジ(社会政策学者)が登場した。
ケインズの主張(経済学):
・自由な市場に委ねれば私的利益と社会全体の利益が一致するという古典的自由主義の想定を批判した。
・不況時には、貯蓄増加、労働者の賃金抵抗、消費の停滞などにより、失業や不況が深刻化する。
・政府が金融政策や財政政策(公共投資による雇用創出)で介入することで、市場メカニズムは安定的に機能するとした。
ベバリッジの主張(社会政策):
・自由な市場を機能させるためにこそ、国家による雇用政策や再分配が必要と考えた。
・1942年の「ベバリッジ報告書」で、市場では根絶できない「五つの社会的な悪」(貧困、病気、教育不足、不衛生、失業)を挙げた。
・すべての国民が加入・均一拠出する単一の社会保険を提案し、「ナショナル・ミニマム」(最低限の生活保障)を保障する仕組みを提案した。生活保障は国民の権利とされた。
戦後の実現:彼らの構想は、第二次世界大戦後、完全雇用政策と福祉国家の組み合わせとして、先進国で広く実現した。
現代の挑戦:グローバル化の中で、国家の保護や格差抑制が経済的効率性を損なうとする新自由主義という考え方が広がり、保護を最小限にして自助努力を促すべきとされる。
出典:田中拓道『るベラるとはなにか』
問題(12問)
・正誤判定×8
・空所補充×3
・用語選択×1
全て選択式


総合文化政策学部 総合文化政策学科 A方式


指定する英語資格・検定試験のスコアを「出願資格」とする
共テ国:110点
共テ選:100点
総合問題:100点 
合計:310点

(英資格)
英検(4技能):2100
受験級・合否は問わない
IELTS:4.5
TOEFL iBT:50
TOEIC L&R S&W:940
TEAP(4技能):260
GTEC:1100

(国)は近代以降の文章

(選)は、「歴史総合、世界史探究」「歴史総合、日本史探究」「公共、倫理」「公共、政治・経済」「数学Ⅰ、数学A」「数学Ⅱ、数学B、数学C」から高得点の1科目。


独自問題は「総合問題」で、試験時間は60分です。
入試要項には「『現代の国語』、『言語文化(近代以降の文章)』、『地理歴史、公民(主に『歴史総合』、『世界史探究(現代史)』、『日本史探究(現代史)』、『公共』、『倫理』、『政治・経済』)」とあります。

出題範囲はほぼ要項にある通りです。
選択式問題全25問で、形式は、漢字・空所補充・正誤判定です。
読解力と地歴公民の広範な知識が要求されます
課題文章は2025年、2024年とも6ページほどで、やや長めと言えます。

 

 
 

全て選択式

漢字(同じ漢字を含むもの)×5
空所補充(組み合わせ)×4
正誤判定×16

※2023年には年代順配列問題が1問出題されている。

 
 

課題文章の要点

都市の危険性と人口集中
都市は危険な場所だが、豊かな暮らしと競争力を求め人口集中をやめない
現代都市の構造的リスク
・すべての都市は国家システムと密接につながり、システム破綻が全体に影響する(広域システム災害)。システムが巨大化し復旧は困難になっている。
・人口増加は周辺部で起こり、経済活動は外部の産業・資本に依存している。大規模災害時に、これらが撤退し都市が見捨てられる大きなリスクを抱えている。
〇震災の教訓とリスクの増大
・東日本大震災で支援は迅速だったが、被災地の再生は見られない。大規模な復興公共事業は被災地の自立を妨げ、支援が主体性を奪うジレンマがある。

・南海トラフ地震(死者約30万人想定)や首都直下型地震の可能性があり、リスクは増大・複雑化している。
解決の方向性
・広域システムに力を奪われた地方自治や地域の主権の回復が不可欠である。

・原発事故や復興計画などにおいて、安全性や意思決定から住民(地域)が疎外されていることが問題の根源。
・都市や地方自治体のあり方を根本から見直し、システムに依存するのではなく、私たちが主体性をもって使いこなすことが求められている。
出典:山下祐介「都市の防災力と復興力」

 
 

課題文章の要点

1.古典的な「表現の自由」
18世紀後半の市民革命期に成立し、国家の干渉を受けずに自分の言いたいことを言う「国家からの自由」「消極的自由」として特徴づけられた。
2.現代的な「表現の自由」への変容
近代人権成立から200年以上を経て国家と社会が変容したため、現代の表現の自由は消極的自由だけでは不十分となり、多面的・重層的な構造を持つものとして理解する必要が生じている。
3.変容の要因
国家の機能・役割の変化
社会権の保障などにより国家の役割が増大し、膨大な情報を保有するようになった。これにより、表現の自由には、国家が保有する情報へのアクセスを求める「知る権利」や、政府の広報・広聴活動への対抗措置としての「反論権」の観念を組み込む必要が生じた。
私的企業としてのマスメディアの発展
マスメディアの巨大化により「送り手」と「受け手」が分離し、国民の大多数が受け手に置かれ、情報が画一化する危険が生じた。
4.マスメディア発展に伴う新たな要請
・受け手側の「情報受領の自由」(最高裁判例でも核心にあるとされている)の保障。
・意見・情報の多様性の確保と「情報流通の自由」の確保。
・国民がマスメディアを利用できる「アクセス権」や「反論権」の組み込み。
5.国家の積極的役割
現代の表現の自由の保障は、個人の主観的権利の保障を超え、客観的・制度的な保障として捉えられるため、一定の範囲で国家(またはマスメディア自身)の積極的な役割が要請される。
出典:右崎正博『表現の自由の現代的展開』

 
 

課題文章の要点

1.ポランニー『大転換』の現代的意義
・『大転換』は、金融資本主義の歪みが現れる現代において再評価されており、市場社会の形成と崩壊を歴史的に分析しています。
2.市場社会の成立と擬制的商品
・産業革命期に、本来商品ではない土地・労働・貨幣が「擬制的商品」として商品化され、地域コミュニティから遊離(dis-embedded)しました。
・これにより、市場原理によって社会全体が統治される「市場社会」が誕生し、市場と社会の関係が逆転しました。
3.グローバル化と構造的矛盾
・20世紀末からの経済のグローバル化は、市場社会が地球規模で拡大し、擬制的商品の商品化がさらに進む過程です。
・この社会の市場化は、特に地球環境との関わりにおいて、世界規模で構造的矛盾を生み出しています。
4.二重運動論
・市場経済の拡大成長の力学と、それによる社会や自然環境の破壊から生活基盤を防衛しようとする「社会的保護(social protection)」の力学(対抗運動)という、相矛盾する二つの力学の弁証法的過程が資本主義発展の歴史であるとする理論です。
・社会的保護の運動は、福祉国家(ニューディール政策など)の確立だけでなく、ナチス・ドイツやファシズムといった全体主義も生み出しました。
5.グローバル化時代の対抗運動とコミュニティの浮上
・新自由主義反革命後のグローバル化に対し、左派の「グローバル・ジャスティス運動」やオルタナティブ経済運動(社会的・連帯的経済運動など)が出現しました。
・2008年以降は、ナショナリズムと結びついた右派の排外主義的な反グローバリズム運動も目立っています。
・福祉国家体制の限界(成長主義的な福祉政策の地球環境からの限界)やリスク社会の台頭、イリイチによる「現代化された貧困」の指摘、そして新自由主義政策による国家の社会的保護の役割放棄により、国家や市場とは異なる「コミュニティの領域」が新たな社会的保護の担い手として注目されています。
出典:中野佳祐「ポスト資本主義コミュニティ経済はいかにして可能か?ー脱成長論の背景・現状・課題ー」


総合文化政策学部 総合文化政策学科 B方式


共テ英:100点
共テ選:50点
論述:200点 
合計:350点

(選)は、「歴史総合、世界史探究」「歴史総合、日本史探究」「公共、倫理」「公共、政治・経済」「数学Ⅰ、数学A」「数学Ⅱ、数学B、数学C」から高得点の1科目。


独自問題は「論述」で、試験時間は80分です。
入試要項には「文章やデータを読み、分析する能力、自分の文章を論理的に展開できる力、自由に発想する力、自分の意見や発想を十分に表現する力を総合的に問う論述等を課す」とあります。

 


地球社会共生学部 地球社会共生学科


共テ英:100点

共テ選:80点
論述:120点 
合計:300点

(選)は、「国語(近代以降の文章)」「歴史総合、世界史探究」「歴史総合、日本史探究」「地理総合、地理探究」「公共、倫理」「公共、政治・経済」「地理総合/歴史総合/公共」「数学Ⅰ、数学A」「数学Ⅱ、数学B、数学C」から高得点の1科目選択。


独自問題は「論述」で、試験時間は90分です。
入試要項には「文章や図表などを読み、理解力、分析する能力、自分の文章を論理的に展開できる力、自分の意見や発想を十分に表現する力を総合的に問う論述等を課す」とあります。

内容は、大問1がデータ読取り型の正誤判定問題(ゼロ回答を含む)
大問2が課題文章に基づく計算問題と論述問題
大問3が課題文章(英文を含む)に基づく正誤判定問題と論述問題です。

論述問題のトータルの字数は年によって異なりますが概ね400~500字程度です。
データ読取り問題・論述問題の対策に加えて、要項には記されていませんが、範囲を絞って「政治・経済」の学習をしておいた方が取り組みやすく高得点が狙えるでしょう。

 

 
 

大問1
データ読取り型正誤判定問題
ゼロ回答:グラフから判断できない、の選択肢あり

大問2
課題文章型
問1:計算問題
問2:論述問題(250字以内)

大問3
課題文章型(2点中1点が英文資料)
問1:正誤判定問題
問2:論述問題(100字以内)
問3:論述問題(50字以内)
問4:論述問題(80字以内)

 
 

設問1
1人あたり所得と電話契約数に関するグラフ分析
1995年と2020年における世界各国の1人あたり所得(2017年実質値、US$)と100人あたり固定電話および携帯電話の契約数の関係を示したグラフ(図1)に基づき、提示された文章の正誤を判断します。
選択肢には正誤のほか、「グラフからは判断できない」が含まれます。

設問2
アジアにおける所得格差の推移と要因
文章と棒グラフ(図2)を読んで問に応えます。
〇所得格差の状況:

アジア域内の所得格差をタイル尺度(Theil Index)を用いて分析しています。
・タイル尺度は、格差がない場合は0、格差が拡大するにつれて数値が上昇します。
・1996年のアジア全体のタイル尺度は0.24で、国際格差要因が0.05、国内格差要因が0.19でした。
・2008年にはアジア全体で0.34に上昇(40%の上昇)し、国際格差要因が0.1、国内格差要因が0.24でした。
・2008年の格差の約7割が各国国内の格差要因から発生しています。
〇格差の要因:
・グローバル化
教育や高度なスキルへのリターンを高め、非熟練労働者が取り残される可能性があります。
・技術進歩
資本へのリターンが労働へのリターンよりも大きくなり、高度な知識を持つ労働者へのリターンが大きくなる「スキル偏向型技術革新」が挙げられます。
・労働市場の柔軟性
労働市場の規制緩和は非熟練労働力のリスクを高め、正規・非正規雇用の二重性が格差の要因とされます。
・空間的格差
都市部と地方といった地理的な要因による格差で、都市化の進展がこれを強めています。
出典:後藤健太『アジア経済とは何か-躍進のダイナミズムと日本の活路-』
問1:1996年と2008年の国内格差による要因の割合がそれぞれ何%か計算して求めます
問2:著者は格差の要因としてどのようなことが考えられると説明しているか250字以内でまとめます。

設問3
核兵器禁止条約と核抑止論

文章A(英文)(核兵器禁止条約第2回締約国会議)
・2023年12月1日にニューヨークで閉幕した核兵器禁止条約(TPNW)の第2回締約国会議に関する記事です。

・会議では、防衛・国家安全保障政策における核兵器への依存度を高める考え方(核抑止論の正当化)が非難されました。
・日本は昨年に続きオブザーバーとしても不参加でしたが、広島・長崎の市長や被爆者は出席しました。
・TPNWには69カ国が批准または加盟、93カ国が署名していますが、核保有国や米国の核の傘の下にある日本のような国は署名していません。
出所:The Asahi Shimbun,December 2.2023ほか

文章B(相互確証破壊/MAD)
・相互確証破壊(MAD)は、冷戦時代に米国と旧ソ連が報復を恐れ、先制核攻撃に踏み切りにくくした「恐怖の均衡」状態を指します。

出所:日本経済新聞 2020年8月26日朝刊「きょうのことば」

図3(推定核弾頭数の推移)
・第2次世界大戦後から2023年までの世界全体、米国、旧ソ連/ロシアの推定核弾頭数の推移を示す折れ線グラフです。

問1:正誤判定
問2:文章A、Bを参考に「核抑止論」を説明したうえで、なぜ会議ではこの理論が批判されたかを考え、100字以内で述べます。
問3:文章A、Bを参考に、唯一の被爆国である日本がなぜ条約に加盟しないのか、日本政府の考え方を推測し、50字以内で述べます。
問4:文章A、Bと図3を参考に、第2次世界大戦後から2023年までの米国と旧ソ連/ロシアの推定核弾頭数についてわかることを、核抑止論の観点から分析し、80字以内で述べます。

 
 

設問1
日本の人口と経済に関する図表
図1-1「日本の生産年齢人口と高齢化率」
15~64歳人口(左軸-棒グラフ)と65歳以上の高齢化率(右軸-折れ線グラフ)の1950年から2065年までの推移を示す。
図1-2「日本と韓国の外国人労働者数」
2011年から2021年までの日本と韓国の外国人労働者数の推移を示す棒グラフ。
図1-3「日本の国内総生産の実質成長率と生産年齢人口増減率」
 1965年から2019年までの実質成長率(左軸-棒グラフ)と生産年齢人口増減率(右軸-折れ線グラフ)の5年ごとの平均を示す。
図1-4「日本の人口と経済成長(1870~1994年)」
1870年から1994年までの人口と実質GDP(1913年=100とした指数)の推移を示す折れ線グラフ。

これらの図表に基づく正誤判定問題。
選択肢には正誤のほか、「グラフからは判断できない」が含まれます。

設問2
生産性と産業構造に関する文章
労働生産性:労働者一人当たりの生産量(付加価値量)で計測される指標(式1:労働生産性=生産量(付加価値量)/労働投入量)である。
全要素生産性(TFP):投入された生産要素全体に対する生産の割合を示す、企業全体の生産効率性を測る概念である。
TFP変化率:生産量変化率から各生産要素(労働、資本、中間投入)の変化率にそれぞれの分配率を掛けたものを引いて算出される(式2:TFP変化率=生産量変化率ー労働分配率×労働投入量の変化率ー資本分配率×資本投入量の変化ー中間投入量分配率×中間投入量の変化率)。
労働生産性の上昇:一人当たりGDP(国民所得)を上昇させ、賃金上昇につながる可能性がある。
産業構造の変化:日本では高度成長期に農林水産業・鉱業が急速に縮小し、製造業のシェアも低下、代わって卸・小売、運輸・通信、サービス業などの第三次産業がシェアを増やしている(図2-1:棒グラフ)。
労働生産性の産業間比較:付加価値額のシェアが就業者数のシェアよりも大きい製造業は、第三次産業の一部(卸、小売、運輸・通信、サービスなど)よりも労働生産性が高い(式3:付加価値額(製造業)/就業者数(製造業)=労働生産性(製造業)>労働生産性(サービス業)=付加価値額(サービス業)/就業者数(サービス業))。
ボーモル病:サービス業(第三次産業)の生産性が製造業より低い性質により、サービス業の拡大が経済全体の生産性を低下させる現象で、日本にも当てはまる。 出典:宮川努『生産性とは何か-日本経済の活力を問い直す』
問1:TFP変化率の計算(空欄(ア))
問2:第三次産業の就業者が増える理由を労働生産性の観点から150字以内で説明します。

設問3
国際連合による気候変動に関する文章(英文)
・気候変動:気温や気象パターンの長期的な変化を指し、1800年代以降は主に石炭、石油、ガスといった化石燃料の燃焼による人為的活動が主要な要因である。
・結果:深刻な干ばつ、水不足、大規模な火災、海面上昇、洪水、極地の氷融解、壊滅的な嵐、生物多様性の減少などが含まれる。
・脆弱な立場の人々への影響:小島嶼国やその他の開発途上国の人々は特に影響を受けやすく、海面上昇や塩水侵入による移住、長引く干ばつによる飢饉の危険に直面しており、将来的に「気候難民」が増加すると予想されている。
引用:United Nations “What is Climate Change?”
:気候変動に対して特に弱い立場に置かれている人々が受ける影響が、日本での生活におよぼす可能性の中から二つをとりあげて、自分の考えを250字以内で述べます。

 
 

設問1
グラフの読解
図1:「日本における女性就業率(15〜64歳)と合計特殊出生率(1980〜2020年)」のグラフを読み、提示された4つの文について、A. 正しい、B. 正しくない、C. グラフからは判断できない、のいずれかを選択する問題です。

合計特殊出生率:「15〜49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの」で、一人の女性が一生の間に生むとしたときの子どもの数に相当します。
就業率:15歳以上の人口における就業者の割合を指します。

設問2
民主主義サミットに関する論評
2021年12月に開催されたバイデン大統領による「民主主義サミット」に関する論評である文章Aと文章Bに基づき、以下の問いに答えます。

・文章Aの要点
民主主義の理念を確認する会合にもかかわらず、参加国・地域の恣意的な選別による「排除」があり、民主的とは言えません。米国の真の狙いが中国との覇権争いにあると受け止められれば、理念を損ねる逆効果になりかねません。

出典:朝日新聞「社説 民主サミット 理念の復権へ課題多く」2021年12月14日
・文章Bの要点
招待の基準が明確でなく不透明であり、米国の政治的判断が見え隠れします。一部、強権的とされる国も招待されており、また、招待されなかった諸国が中国やロシアとの関係強化に向かう危険性、および分断を深め摩擦が起こるリスクを伴います。

出典:毎日新聞(政治プレミア)古賀伸明・元連合会長「民主主義サミット ~
民主主義の試練と再生~」2022年1月30日
問1:文章Aと文章Bに基づき、民主主義が持つ理念を90〜100字で説明します。
問2:文章Aと文章Bで指摘されている「民主主義サミット」の問題点を100〜150字で述べます。

設問3:反移民政策への説得
オランダの政治家ピム・フォルタイン(1948〜2002)の反移民政策についての文章Cを読み、問いに答えます。

文章C(フォルタインの主張の概要)
フォルタインはイスラムを「後進的」とし、近代西洋の価値(政教分離、男女平等など)と共存不可能と位置付け、断固たる対応を主張しました。彼は人種差別ではなく、西洋的価値観、啓蒙主義の理念を称賛したうえでイスラムを批判する論法をとりました。

出典:水島治郎『ポピュリズムとは何か-民主主義の敵か、改革の希望か』
問1:イスラム教徒を含む多様な文化を背景とする移民・難民を受け入れる立場から、フォルタインをどのように説得するか、設問2の文章Aと文章Bで示された民主主義の理念を参考にしながら250〜300字で説明します。


コミュニティ人間科学部 コミュニティ人間科学科


共テ英:100点

共テ国:100点
論述:100点 
合計:300点


独自問題は「論述」で、試験時間は60分です。
入試要項には「文章(図表を含む)を読み、分析する力、思考・判断する力、並びに文章を論理的に展開・表現する力を総合的に問う論述などを課す」とあります。

要項には「論述」とありますが、典型的な小論文の問題です。
課題文章は2ページ程度と短く、内容も難しくはありません。
字数がトータルでMax900字程度ですから、60分の試験時間もタイトとは言えないでしょう。
総合型選抜などで小論文対策をしてきた人には取り組みやすいでしょう。
慶應義塾との併願にもおススメです。

 

 
 

問1:下線部に関する説明(80字以上100字以内)
問2:課題文章・テーマに関する自分の考え(600字以上800字以内)

 
 

地域活動の現状と課題
・筆者は20年ほど埼玉県の郊外のまちで、保育所・学童保育の保護者会、PTA、民生委員などの「地域の活動」に関わってきた。

・これらの活動は、出身、仕事、年齢が違う様々な人々が試行錯誤しながら活動をつくっていく魅力があると感じてきた。
・しかし、現在は地域活動は人気がなく、特に若い世代には強い忌避感が広がっている(例:「PTA死ね!」など)。
・コロナ禍により、活動の「必要火急」と「不要不急」が問われ、停滞したり解散の危機に至ったりした団体も多い。
「罰金案」を巡る問題提起
・筆者が関わった学童保育所での親子大掃除で、欠席した保護者に「罰金を課すべきではないか」という意見が出た。

・筆者は、罰金案に対し、「お金を払ったんだから文句を言われる筋合いはない」と言われた場合の気持ちの悪さや、やむを得ない事情、将来の活躍の可能性を理由に、罰する以外の方法で呼びかけることを提案し、罰金案は立ち消えになった。
・この「罰金を」という発想の背景には、現代社会のキーワードである「自己責任」があるとしている。
・本来「みんなの問題」である大掃除が、ルールを設けることで「その人の問題」、つまり「誰の責任か」に変化し、自己責任を問う日常の中で「罰金」という発想が当たり前になる。
・さらにこれは、社会的な不公平や人権侵害も「みんなの問題」ととらえる視点が弱く、分断され孤立し不安な現代の心象風景を映し出していると指摘している。
・納得できない「やらなければいけないこと」を孤立したままこなす「負担感」から、翌春の役員決めでは「やらないなんて、ずるい、ゆるせない」という恨みから出た言葉に支配される。
地域活動の目的と現状
・地域の組織が「同じ地域に住む人々の良好な関係づくり」を目的とするなら、現状は住民に地域のことへの忌避感を持たせ、逆効果になっているのではないかと問いかけている。

・いくら「正しさ」(「地域で」「自治会に」)をうたっても、人々は戻ってはこない。
出典:西川正『あそびの生まれる時 「お客様」時代の地域活動コーディネーション』
問1:下線部「いま地域の活動はほんとうに人気がない」のような状況になる理由について、筆者の考えを80字以上100字以内で説明する。
問2:地域の活動の人気を高めるために必要なことについて、この文章を踏まえつつ、自分の考えを600字以上800字以内で論じる。

 
 

子ども食堂の急速な普及と規模
・子ども食堂は全国で急速に普及しており、2016年5月の319ヵ所から2019年6月には3718ヵ所へと、3年間で11倍以上に増加しました。この数は全国の児童館数(4000)に近く、非常に大規模な広がりを見せています。

目的は「二本足」の実践
貧困家庭の子どもだけでなく、寂しさを抱える子どもや地域の人との交流を求める子どものために、夕食を無償または安価に提供しています。

・湯浅誠氏によれば、貧困対策だけでなく「地域の交流活性化(ダベリ場)」という目的も重要であり、これら「二本足」で立つ実践が特徴です。これは「縁食」が持つ「弱目的性」と「解放性」を体現しています。
勃興の背景
・2015年の子どもの相対的貧困率が13.9%(7人に1人)と深刻化する貧困問題が背景にあります。

・規制緩和による非正規雇用の激増や経済格差の拡大が、子どもの貧困を深刻化させています。
・子ども食堂は、国や自治体ではなく、地域のボランティアが孤食を防ぎ、貧困家庭を援助する役割を担おうとしています。
・また、東日本大震災によって露呈した人間関係性の欠陥を埋め合わせるように、関係性の再編の中で生じた側面もあります。
支える側(ボランティア)の意義
・子ども食堂は「支える側もこの居場所に救われるところがあった」とされ、ボランティアにも新しい役割や地域のつながりをもたらす「心の拠り所」の一つとして機能しています。

批判と筆者の視点
・一部研究者からは、「国家の手の届かないところを補完するだけで、貧困問題そのものの解決にはならない」という批判があります。

・筆者は、子ども食堂を規制緩和の矛盾を緩和する補助機関とする見方も認めつつ、「家族の枠を超えた食のあり方は、人と人の交わる公共空間を活発化し、さらに創造していくポテンシャルを内包している」と捉えています。
「孤食」と「共食」概念の限界
・子ども食堂は、孤食とは言えないほど交流が豊かである一方、共食というには紐帯がゆるく、ドライにつながっているため、「孤食と共食というセットの概念はそれほど役に立たない」と述べています。

・この「あいだにある、もっと別の食のあり方」を説明する言葉が必要だと指摘しています。
出典:藤原辰史『縁食論-孤食と共食のあいだ』
問1:下線部「「縁食」がはらむ弱目的性と解放性」の意味するところを、80字以上100字以内で説明する。
問2:「子ども食堂」の可能性と課題について、この文章を踏まえつつ、自分の考えを600字以上800字以内で論じる。

 
 

筆者の体験と問題提起
大学の教室で、筆者が学生に回答用紙を後ろから前へ順送りに集めるよう指示しても、学生は理解できないような表情をするか、指示が伝わっても一人一人別々に提出しに来る、という体験を複数の大学でしている。筆者はこの学生たちの助け合わない行為を「おかしなもの」と感じ、その理由として「採点」への警戒心、「回答を見られたくない」という思い、学生どうしの「協力態勢がとれない」ことなどを想像するが、原因は不明であるとしています。
社会全体への言及
筆者はこの問題が学生だけでなく日本人全体に見られる現象ではないかと推測し、日常生活で人間どうしの協力態勢ができていない、つまり「身近なところで、ものごとを処理することができない。人が複数になると、動けない」ことは個人と社会にとって不幸であると述べています。
ボランティア活動への見解
ボランティア活動が注目されているが、「自分の持ち場で何をしたらいいのか」見えなくなった人が、目標がはっきりしているボランティアへ向かうのではないかという側面もあると感じています。他人がよろこぶ姿が自分もうれしいのなら、ふだんの時間のなかでもそうするよう心がけることが、人として大切であり、ボランティアのモトになると述べています。
出典:荒川洋治『夜のある町で』
問1:この文章で提起されている問題とは何かを80字以上100字以内で記す
問2:この文章で提起されている問題について、自分の考えを600字以上800字以内で述べる。