適切な学部・学科の選定
目標とする職業に求められる知識・スキルを身につけ、資格を取得するには、どの学部・学科で学ぶのが適切でしょうか。
このページでは、目標達成のための最適な学びの場を見つけるプロセスについて考えます。
学部・学科と職業との関連性
同じ職業を目指す場合でも、複数の学部・学科が選択肢に挙がる場合があります。
その場合は、表面的なイメージや人気ではなく、各学部・学科のカリキュラム内容や就職先の業界別割合などを比較検討し、「自分の興味・適性・将来のキャリア像」と最も合致するものを選ぶことが重要です。
この調査のプロセス自体が、「なぜこの学部・学科を選ぶのか」を言語化する練習であり、「志望理由」をまとめる際の重要な材料となります。
例えば、「マーケティング」に関わる職業を目指す場合、次のような学部・学科が関連します。
それぞれの学術的背景によって「マーケティング」へのアプローチの仕方が異なります。
- 経営学部(マーケティング、行動経済学、ブランド戦略)
- 商学部(市場調査、消費者行動)
- 社会学部(メディア社会論、コミュニケーション論)
- 心理学部(認知心理学、消費者心理)
- 文学部(表現技法、編集・出版、クリエイティブライティング)
- メディア学部・情報コミュニケーション学部(広告論、SNS戦略)
学際的アプローチの検討
現代社会では、一つの専門分野だけでなく、複数の分野を横断する知識やスキルが求められることも増えています。
例えば、医療情報学は医学とITの知識を組み合わせた分野です。
自分の興味や目標に応じて、学際的なプログラム(リベラルアーツ)や副専攻制度、複数学位制度を持つ学部・学科も視野に入れるとよいでしょう。
将来の発展性も考慮
学部・学科を選ぶ際は、現在その職業に必要とされているスキルだけでなく、将来の社会変化や技術革新によって新たに求められる可能性のあるスキルについても考慮するべきです。
例えば、AIやデータサイエンスに関する知識は、今後多くの分野で重要性を増していくと予測されています。
柔軟性のあるカリキュラムや、最新の研究トレンドを積極的に取り入れている学部・学科は、長期的なキャリア形成において有利になります。
学校推薦/総合型選抜で大切な視点
学部・学科選びは単なる興味・関心だけの問題ではなく、「自分の将来像をどの学問が最も強く支えてくれるか」という視点が必要です。
大学の評価するポイント
大学は以下の諸点を正確・明確・具体的・論理的に説明できるかを重視します。
つまり、「大学での学びと将来の解像度が高い」学生が評価されます。
- その学部・学科で学ぶ内容や研究方法についての理解
- なぜその学部・学科でなければならないのか
- その学部学科でどのようなことを学びたいのか/身につけたいのか
- その学部・学科で学んだこと/身につけたことを将来どう活かすつもりか
- 自分の興味・関心・性格とカリキュラム内容とのつながり
- 将来の目標達成に向けてのビジョンやプラン
学部学科リサーチ
以上から、志望する学部・学科についての理解を深め、志望理由書・学習計画書や面接の回答に落とし込むためには、以下のような項目をリサーチすると良いでしょう。
- 学ぶために必要な資質・知識
たとえば、大学入試要項やウェブサイト記載のアドミッション・ポリシー、出願条件(特に学修要件)、履修が望ましいとされる教科・科目、などから解ります。 - 学ぶ科目とその内容、カリキュラムマップ
たとえば、大学ウェブサイトのカリキュラムマップやシラバス検索の利用、デジタルパンフレットなどで詳しいことが判ります。 - 研究の方法論・アプローチ
たとえば、大学ウェブサイトの研究室紹介ページや入門書から知ることができます。 - いまどのような研究が注目されているのか
ウェブ検索で学会・研究会のテーマやシンポジウムの内容を調べたり、ニュース検索、NHKの教養番組などが役立ちます。 - 研究が直面している問題・解決すべき課題
関連する各省庁の白書・報告書、研究者・実務家のインタビューや対談が見つかれば、役立ちます。
実際の調査の進め方
大学研究も兼ねて、複数の大学を比較して相対化しながら考察すると理解が深まります。
すなわち、「自分の選んだ学部・学科に対して、A大学は〇〇の強み、B大学は✕✕の強みがあり、私は△△という理由でA大学がより適していると考える」と説明できる状態を目指すとよいでしょう。
- 「仮」でもよいので、志望学部・学科を1つ定める
- 2~3つ程度の大学を候補としてピックアップする
- 各大学について以下を調べる
☑学部紹介・アドミッションポリシー
☑カリキュラムマップ・シラバス・モデル時間割
☑教員・研究室紹介、研究トピックス
☑ニュース・プレスリリース(話題の研究)
☑レビュー論文(その学問分野の課題) - ノートに各項目ごとにメモをして教法を整理する
- 自分の言葉でまとめ直す
「この学部・学科で学ぶためには〜という資質が重視され、実際のカリキュラムは特に〜の力を育てるように設計されている。研究は〜というような方法論を用いて、現在は〜が注目されており、特に〜という課題がある。その中で、私は〜大学が、〜という点で自分に最も適していると考える。」